宇宙戦士バルディオス。メジャーとは些か言い難いロボットアニメではありますが、80年代の空気を代表するコンテンツではあると思います。
ストーリー(とか劇場版で完結したりとか)がイデオンに似ている、主人公の風貌が回によってはゴッドマーズに似ている、世界観とロボットの荒唐無稽さがマッチしていない…等々、色々とあるにはありますが(実際はイデオンもゴッドマーズも本作より後なんですけどね)、異様に格好良い羽田健太郎先生の手による主題歌や、多数の小技が仕込まれた合体バンク、じっくり描かれた敵との微妙なロマンスといった各種要素は、今なお魅力的です。
主人公ロボのバルディオスは、初登場が4話と遅め。
3台のメカが合体する設定でしたが、各メカが複雑怪奇なギミックで変形する設定のため、当時のトイは忠実なギミック再現を念頭に置いた傑作ではあったものの、プロポーションに難がありました。
バンダイから発売されたプラモデルの方では、当然ながら(?)大スケール、小スケール共に変形合体ギミックは盛り込まれず、大スケールの方はおまけのような小型の3大メカが付属する仕様。およそ40年弱を経て、ようやくMODEROIDで変形合体を盛り込んだキットが発売されるに至りました。
この1/800スケールは、当時小スケール版として発売されたものです。
キットについて
ベストメカコレクションとしても後半のリリースなので、各関節の可動ギミックやモールドの確かさは一定の完成度を誇ります。肩アーマーの接続が独特で、位置こそ安定しないのですが、可動の妨げにならないよう工夫されています。
プロポーション的には、結構頭部が大きめに感じられ、実際少し大きいのですが、なんとなくそれがケレン味として成立していますね。
武器として剣のパルサーベル、そして本編には登場しない銃とシールドが付属。こちらも標準的なベストメカコレクションの仕様に即していると言えますが、印象的なショルダーキャノンはオミットされています。
改造、塗装について
改造箇所はいつもどおり軸関節のKPS置き換え、首、股、足首のボールジョイント化です。他は特にいじっていません。
水性サフ・グレーを下地とし、基本塗装はすべて水性ホビーカラーで。白、赤、青(紺)、黄、黒はすべて基本色で。灰色は明灰白色(1)、あと一部ミディアムブルー、みず色を使用しました。トップコートはつや消しクリアーに追いフラットベースです。シェーディングはスモークグレー、墨入れはMr.ウェザリングカラーにしています。
各部ショット
もう少し頭部が小さければ…もう少し肩アーマーが大きければ…と感じられますが、これはこれで迫力のあるプロポーションだと思います。造形は結構シャープで満足度は高いです。
合体ロボとしては簡素なバックショット。勿論変形ギミック未搭載ですが、元々の設定からして結構シンプルなんですよね。後頭部の複雑なラインに注目。
ヒーローロボットっぽい剣と盾を構えたポーズはサマになります。脚部はボールジョイント化してもそれなりの範囲でしか動きませんね。
胸部の複雑な塗り分けは当キットの最難関かと。黄色を塗装し、マスキングして赤を吹き、最後に黒を筆塗りしています。黄色の模様の中の赤いラインは、エナメル塗料を流してシャープなラインを確保しました。
謎の銃。これ、大スケールにも付属してました。設定にはあるんですかねー?
こうして見ると、結構「あごひげ」が長く、ガンダム似と言われた顔との差別化になっているかな。
このキット、mixi時代からSNSで交流のある方よりお譲り頂いたもので、バンザイマークの当時品という貴重なものでした。ホントにありがとうございます。同時に大スケールのものもお譲り頂いたので、現在チマチマと製作進行中です。