フォイゾン王よりゼラーナに託されたオーラバトラー・ボチューン。ゼラーナ陣営では、ビルバインを除けば最新型のオーラバトラーとなります。
赤系のカラーリングを施されたカスタム機は、マーベル・フローズン、そしてキーン・キッスに乗り継がれました。キットはそのカラーリングを再現した成形色で、「マーベル・フローズン専用」の冠が付けられています。
全体的に鳥の雰囲気が投影された独特のスタイリングと、やや多めの装飾が特徴で、かなり個性的な雰囲気を醸し出しています。
キットについて
全体のプロポーションは、他のキットと同様に少々幅広な印象。しかしながら、各パーツの微妙な曲面が程良く再現されているため、完成すると一気に流麗な彫像のような雰囲気になります。スリムに描かれた設定画よりは、劇中の作画に近似しているように思いました。
可動部は腕部、脚部ともによく練られた設計となっており、それなりのアクションが可能。腰でパーツが分割されているので、腰の可動化も容易でしょう(面倒なので説明書通り接着しましたが)。
装飾が多いということは、小さいパーツの接着部分も自ずと多くなるわけで、塗装後の接着は相応に苦労することとなります。現に撮影中にポロリが何度か…(笑)。
改造箇所について
まずは首。キットは完全に接着する固定方式なので、ボールジョイントで可動式に。しかし、ボチューンの頭部って設定でも固定式なんですね…。とりあえず目線を変えられると雰囲気も変わってくるので、設定無視でも良しとします。
肩部はランナー軸とジャンクポリキャップに換装。手首、股、オーラコンバーター基部をボールデンアームアームズにてボールジョイント化しました。足の爪は、キットでは挟み込みの独立可動方式になっているのですが、ボールジョイント受けパーツに爪を接着して一体化し、脛側にボールジョイントのボールパーツを仕込むという方法を採っています。
他の関節は例によってランナー袋による補強。既にこの方法がオーラバトラー製作のデフォルトになってしまいました。
なお、股については基部を削り込んで幅詰めっぽく見えるようにし、脚部のボールジョイントを上側に取り付けて幅広感を軽減すると共に、ほんの少し足長に見えるようにしました。
塗装について
パーツ数が多い割には、合わせ目の目立つパーツは少なく、表面処理と塗装には優しい設計かも知れません。
ガイアノーツの黒サフを下地に、同じくガイアノーツのExホワイトを吹き、その上にMr.カラーのマルーンを吹いて基本色としました。希釈の度合いにも依りますが、マルーンは隠蔽力が弱く、目的の色になるまで数回重ねています。
ピンクの部分はGXメタリックレッドとGXラフシルバーの混色。キャノピーはメタリックグリーン、グレー部はニュートラルグレーとしました。
仕上げはクリアブラックによるシャドウ吹きと、ホワイトパールによる化粧吹きに続き、Exクリアーによる光沢コート。最後にコンパウンドで磨いて終了です。
各部ショット
各部の曲面が美しく、破綻のないスタイリングとなっています。股関節の調整で少し足長になり、元々の良さが増しました。
背面は意外にスッキリしています。各部の鋭角的なパーツがボチューンを特徴付けていますね。
頭部は角を少し尖らせた程度ですが、充分にエッジが効いています。キャノピーに食い込んだ爪状のパーツが面白いです。
肩アーマーの取り付け角度を変えたので、オーラソードが鞘に収まらなくなってしまいました…。腕部の造形美が際立っています。
待機状態だと翼を休める鳥のような雰囲気になるのが面白いところです。頭部から胸部にかけての曲線の繋がりが美しい。
待機状態の背部。やはりオーラコンバーターは磨き甲斐のあるパーツです。
脚部可動がかなり優秀です。腕部は肩のアーマーが干渉し、前後可動については少々不自由。一方で肩を左右に開く可動ギミックは見事です。頭部を可動化したのでポージングの自由度が上がりました。
箱絵風のポーズ。箱絵の完全再現はかなり改造しないと無理でしょう(笑)。ただ、小改造でも雰囲気だけは巧く出せますね。ボールジョイント化で頭部を上向きにできるようになったので、飛行ポーズがサマになります。
股のボールジョイント化で少し内股が可能になったので、女性が搭乗するオーラバトラーらしいイメージを表現できるようになりました。
やはりオーラバトラーには飛行ポーズですよね。しかし…スタンドが倒れでもしたら多分崩壊します(笑)。
マーベル搭乗機が揃いました。キーン搭乗機でもありますね。いよいよ1/72スケールの旧キットはズワァースを残すのみとなりました。